2006/01/03 7:07

○ハブ茶(エビスグサ)

 ハブ茶はエビスグサ(夷草)を原料とする健康茶である。エビスグサは北米原産のマメ科の一年草で、別名決明、ロッカクソウともいう。長さ15~20cmの豆果一つから30粒あまりの小豆大の種子が採れるが、これを漢方では決明子と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚気、浮腫などに用いる。わが国ではこれを麦茶のように焙じてハブ茶(波布茶)といい、健康増進と強壮、肝臓と腎臓を強くするとして愛飲するが、マムシ毒にも効くといわれ、これがハブ茶の名の由来である。

 わが国へは17世紀に中国から渡来したといわれ、葉を決明葉と呼んで瀉下剤であるセンナの代用にしてこともあるが、それほどの作用がない。もうひとつ紛らわしいことに、同じマメ科の一年草にハブソウ(波布草)という類縁種があり、中国ではこれを地上部全草を望江南、種子を望江南子と呼んで、煎じて健胃・整腸、解毒などに用いる。

 さて、ハブ茶の効用について中国の古い漢方書では「エビスグサの種子(決明子)を煎じて飲めば、腎臓を強化する」と記し、「その葉を菜にして食べれば、五臓を律し目を明らかにする」など、さまざまな効能があるとしている。

 近年のその薬効成分も徐々に科学的に解明されるようになってきたが、その一つに、アントラキノン誘導体という有効成分がある。これは緩下、強壮、利尿などの薬効のほか、高血圧、胃弱などにも有効であることが知られている。

 一方、臨床的な研究も行われ、ハブ茶の具体的な効能も次のように判明してきている。

 ①便秘を治す。アントラキノン誘導体の緩下作用によると見られ、ハブ茶にハチミツを加えると、一層効果的である。また、決明子に大黄を混ぜて煎じた汁も便秘に効く。②胃腸病が治る。胃腸が弱くて煎じて痩せている人は、ハブ茶を飲むとよい。また、決明子20gにキハダ(黄柏)1gを混ぜた煎じ汁は胃弱に効果的で、キハダの変わりにゲンノショウコ(玄草)を混ぜて飲むと、胃潰瘍に効果がある。③目の疲れや充血を取り除く。ハブ茶に常飲し、またその汁で目を洗うと、目の疲れや充血がとれ、視力の衰えを防ぐのに効果がある。④腎臓病に効く。ハブ茶を飲むと水分が大便と共に排出され、腎臓の負担を軽くする。⑤口内炎に効果がある。口の中が荒れたり、舌が赤くただれたり、また乳児の舌が白くなったとき、3度ほど煮だしたハブ茶を口に含むか、うがいするとよい。⑥そのほか、酒を多く飲んだ後に濃いハブ茶を飲むと、二日酔いしない、ハブ茶とドクダミを同量ずつ混ぜて煎じると、高血圧に効く。ハブ茶は黄疸に有効性があり、ゲンノショウコを混ぜて飲むと、肝臓病、胆石症にも効果がある。などといわれている。