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上海へ(5月某日)


「王成油画作品特展開幕酒会 2006.04.29.7:00pm」の案内の記されたポストカードを上海の李君より受け取ったのは四月二十日ごろのこと。近頃、老人性躁鬱症が昂じて部屋を出るのも戻るのも、寝るのも起きるのもめんどくさい。それでも何の気まぐれからか意を決して特展酒会出席のため二十九日の上海行き午前便の機上の人となる。

浦東飛行場で李君の出迎えを受ける。破顔一笑とはこの事か。「ラオパンいらっしゃい」

李君の笑顔を見ると「ああ、上海に来たとの実感」李君は上海でのビジネスのパートナーで開発センターと画廊の経営をお願いしている。
「ビジネスはどう?」
「ええ、馬馬虎虎」
「画廊の方は?」
「はい、先月、はじめて絵が一枚売れました」
「ほう、それはよかった、絶好調だね」

蓮花画房の上海ギャラリーがオープンしたのが去年の七月だから十ヶ月ではじめて絵がうれたわけだ。何と優美で繊細なる徒労、テレビの芸能人のドタバタと表参道ヒルズを軽蔑している小生にはそれがなんとも心地よい。開高先生の受け売りなのだが、馬馬虎虎と書いて「マーマーフーフー」と読むのだそうだ。馬でもなく虎でもない。ようするに「マーマーフーフー」なのだ。力んだところで人のやらかすことなど所詮「マーマーフーフー」ホリエモンも塀の中でそう悟ったに違いない。

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