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再度 やちむん探し(四月某日)
再度の沖縄行。羽田発二十時の最終便に乗り那覇空港到着は二十三時をまわった頃。夜の空気に亜熱帯の匂いかすか。今回の目的は壺屋町の骨董店主板野氏にお目にかかる事と漆喰シーサの逸品を捜し歩く事也。




板野氏は御年八十過ぎの元映画監督。古いものが好きで趣味がこうじて気がついたら骨董屋のおやじになっていたとの事。既に十数年のおつきあいで随分と良い品をわけていただいた仲なれど前回お尋ねした時、店は閉店中。隣のやちむん屋に尋ねると、週末たまに店にでるもののほとんど休業中との由。何でも夢が捨てきれず又映画を撮り始めるとの事、慶賀の至り。

空港より那覇テラスに直行、投宿。部屋で泡盛の水割りを飲みながら板野老の来歴に己が近未来を重ね合わせ一人、苦笑い。


内藤忠行先生の桜
 「十五、六年前、桜にイカレテ、何んだかんだで、一億円近く桜に入れ込んでさあ、・・・・」

先生が案内してくれたのは天王州アイルの寺田倉庫でした。巨大なエレベーターで五階にあがると、空調完備、警備万全の先生専用の十坪程のスペースがあります。中には数十枚いや百枚の大中小の段ボールケースに入った作品が床と言わず棚と言わず天井まで積み上げられておりました。


 「こっちはゼブラ、あっちはアフリカ、あとは全部さ・く・ら

恐る恐る,縦横2メートル四方はあるさ・く・らを見せてもらいました。

 「これ、桜ですか」
 「そう、さ・く・ら
 「この大きい桜、何枚位あるんですか」
 「そうねえ、40枚くらい」
 「一枚、いくら」
 「うん、○○百万ぐらい」
 「ずうっと、十年もここにあったんですか」
 「そう、ずう~っと・・・・・」

十点程、桜の作品を見せてもらい、その後黄昏時の船着場脇のバーでビールをごちそうになりました。

 「先生、売れるかもわらないし、あの大きい”さ・く・ら”一枚飾っていいですか」

先生はビールを飲み干し、微笑えむと「う~ん、でもやめとこ」

「どうして」
「あれね、湿気に弱いのよ。それに強い光も駄目だし・・・」