
トップページ > 医療福祉専門学校NEWS
主題:「経穴学」入門篇-その3-
~『気穴』とは~
主題:「経穴学」入門篇-その3-
~『気穴』とは~
次に「気穴」について(コラム4の②参照)。「鍼を游ばす居」とありました様に、刺した鍼を「操作するところ」です。それは「気」の調整を目的に操作するのです。(下記⑤)。
※ツボの呼称※
⑤「巷(コウ)」
『霊枢』邪気藏府病形篇「刺此者、必中氣穴、無中肉節、中氣穴、則鍼染(『太素』遊、『甲乙』游)於巷.中肉節、即皮膚痛、補寫反、則病益篤.中筋則筋緩、邪氣不出、與其眞相搏、亂而不去、反還内著、用鍼不審、以順爲逆也」(R2-9a-7~9b-1)
訓読;此を刺すは、必ず氣穴に中て、肉節に中てる無れ、氣穴に中たれば則ち鍼は巷
に遊ぶ。肉節に中たるは即ち皮膚痛む、補寫反すれば則ち病益(マスマ)す篤(ア
ツ)し。筋に中たるは則ち筋緩み、邪氣出ず、其の眞と相搏(ウ)ち、乱れて去らず、
反て還り内りて著く。鍼を用るに審(ツマビラ)かならざれば、順を以て逆と爲すな
り。
意釈;刺鍼は「気穴」に当てるのであって、「肉節」(一見はツボの様にも思える筋肉の節
目)に当ててはいけません。気穴に当たれば鍼は「巷(コウ)(=孔)」を通る様に(抵
抗無く)自由に動きます。肉節に当たれば皮膚が(不必要に強く)痛みます。補(正
気の補充法)と寫(邪気の瀉出法)の使い方を間違うと病気を悪化させます。筋に
当たれば筋は緩みますが、邪氣が瀉(ソソ)ぎ出されず、真気とぶつかって乱れ、
去らないどころか反って体内に還(メグ)らし、定着させてしまいます。
鍼の使用方法に詳しくないと、順(治り易い順調な状態)を、逆(治り難い状態)にし
てしまいます。
「巷(コウ)」の発音(上古音は東部牙喉音で「あな」や「つき通る」の意。口,喉,孔,工,空,公,凶と同。藤堂明保『漢字語源辞典』)には「通る」意が有ります。
その『巷(ツボ)』に通した鍼の操作は、「補寫」をして「気」を調整する為に様々な手技を行うのです。
文 はりきゅう学科専任講師 山口秀敏