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主題:「経穴学」入門篇-その2-
~なぜ治療点を「穴」というの~
主題:「経穴学」入門篇-その2-
~なぜ治療点を「穴」というの~
では、「穴」について(前回コラム4の①を参照)。
(前回文中に)『穴とは、「それに基づいて鍼を行う所」』とありました様に、「鍼を刺す所」の意味ですが、古くは「穴(あな)を空ける所」でもありました。(下記④記載)
*ツボの呼称*
④「空(コウ)」
『素問』刺瘧篇「瘧發身方熱,刺跗上動脈,開其空,出其血,立寒」
訓読:瘧(ギャク)(寒気と高熱の病)を発し、身まさに熱すれば跗上の動脈を刺す。
其の空を開き、其の血を出せば立ちどころに寒ゆ。
意釈:瘧疾(おこり)で高熱を発した時には足の甲を刺します。
その「空」を開き、出血させれば熱が下がります。
古代中国語の「空(コウ)」の発音(工,孔,巷と同音)には、「あな」の意味が有ります。(『説文解字』「空竅也,从穴,工聲」)。
瘧疾(オコリ)は、寒気を前兆に高熱を繰り返す病気です。その例としては、突然に激しい寒気、戦慄(フルエ)と頭痛が起こり40度以上の間歇熱が出る「マラリヤ」もこれに相当すると考えられます。
その治療薬はキニーネなのですが、医療物資の欠乏した戦時中、南方でマラリヤ感染者の指先に小さな刺し傷をつけて出血させる方法が有りました。これは、工藤訓正と丸山昌朗の両医師が『刺瘧』篇を参考にして始めた事です。
当時は、自転車のスポークを研いで急拵えの鍼具にしたそうです。工藤医師によると、これで爪甲根部を刺して出血させると、完全な下熱とは行かず、少し下がる位で、やはり発熱するけれど、苦痛の程度が減り、どちらかと言うと「気持ちの良い暑さ」に変わる事もよく起こったそうです。(刺絡学会:大貫氏談)
文 はりきゅう学科専任講師 山口秀敏